リオの森に集まった、音楽家たち。

4人の音楽家が、リオ・デ・ジャネイロの森なかに建つ小さなアトリエに集まった。メロディー・ガルドー（Melody Gardot）、ピエール・アデルニ（Pierre Aderne）、フィリッペ・バーデン・パウエル（Philippe Baden Powell）、そしてダヂ（Dadi）。2週間の共同生活をそのアトリエで送った音楽家たちは、森を歩き、一緒に食事を作り、おしゃべりをして、音楽を楽しんだ。
そのうちに、みんなでつくった曲が何曲かそろったので、レコーディングをしようとだれかが言い出した。他の音楽家たちも、それはいいアイディアだと賛同した。

「まるでこの森のような音楽だわ。」と、レコーディングの仕上がりに満足してメロディーがつぶやいた。
「共同生活を続けたら、ぼくらの曲がもっとできるね。」と、ダヂは言った。
「きっとぼくらなら、世界中を旅行しながらでもできるだろう。それもいろんな曲をね。素敵じゃないか。」と、ピエールが言った。そして、それは素敵なことに違いないと、他の音楽家たちも思った。

かくして始まった、この音楽家たちの企ては、いま、リオの森を離れてヨーロッパでひそやかに進行している。
あるときは、パリ街区の曇った喧騒を聞きながら。またあるときは、碧空のリスボンを渡る、大西洋の湿気た空気を吸い込んで。。あの多雨林の森の静けさを纒ったまま、4人の音楽家たちによっていまも紡がれている。